topimage

2017-07

塀の中 - 2012.01.17 Tue

広島の市民を脅かした李容疑者の刑務所脱走事件。
13日、54時間後に逮捕され市民はホッとした。

捜査官の呼びかけに対して、自ら名前を名乗り「刑務所へ帰る、疲れた」と言ったそうだ。
「帰る」という言葉から推測されるのは、戻ることを希望しているようでもある。
刑務所の中が良いところとは思えないが、そこが居場所となった者にとって、
居場所を無くした娑婆よりも良いのかもしれない。

この事件から「ショーシャンクの空に」という映画を思い出した。
古い映画だが、私のお勧め映画ベスト3にランクインするものだ。
ストーリーは割愛するとして、主人公とは別に模範囚の老人の生き様が描かれており、
「生きる」という意味を考えさせられた。
その老人は、刑務所内では服役囚や刑務官からとても慕われていた。
彼自身も刑務所の中で、図書係りなどを受け持ちそれなりに生きがいを感じていた。
模範囚であることから彼は刑期よりも早く仮釈放された。
しかし、仮釈放後間もなく彼は自殺してしまった。
娑婆には彼の生きる場所が見つけられなかったからだ。

李容疑者は3日間寒空を彷徨い、空き巣に入り、街角の建物の陰で寝たのであろう。
しかし、何処にも自分が生きていける場所は見つけられない。
脱獄犯をかくまってくれるような人も居る筈がない。
彼の居場所は刑期中は刑務所しかないのである。
そのことを悟ったに違いない。

塀の向こうは見えないだけに、色鮮やかで温もりに満ちた世界を想像しがちだ。
ところが一旦塀の外に出たら、やはりその塀の向こう(もとの世界)が良く見える。
我々の心の中にもいくつもの塀がある。
人は、見知らぬ世界や、他人の生活や、未体験のことに対して過大評価してしまう。
しかし、案外乗り越えない方が、心安らかに日常を送れるのかもしれない。
井の中の蛙は出られないのではなくて、外に出ない方が安全に生きられることを知っている。

どの塀を乗り越え、どの塀を乗り越えないか、それは人生において大きな選択かもしれない。
スポンサーサイト

● COMMENT ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック:

http://yumemio.blog.fc2.com/tb.php/95-c048a0eb
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

期限付きだから人生がある «  | BLOG TOP |  » 夢は不可解

プロフィール

tsutsui-s

Author:tsutsui-s
広島県在住。
複数の会社と店舗施設を経営。自分に出来ないことはない、という自信過剰ぎみの精神力を糧に、新しいものに挑戦し続ける中年です。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (1)
季節 (18)
プライベート (65)
震災と復興 (5)
ブログについて (8)
モノローグ (127)
バイク (63)
エッセイ (35)
仕事 (16)
趣味 (4)
妻の闘病記 (11)
政治・経済 (11)
家族 (4)
禁煙物語 (7)
入院日誌 (13)
自然災害 (1)
スポーツ (4)
カープ (5)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR