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今年の抱負 - 2012.01.07 Sat

みなさん、明けましておめでとうございます。
本年も私ともども当ブログをよろしくお願いいたします。

と、いいましても昨年12月は1回のみの投稿と非常に少ない投稿になってしまいました。
これではとてもブログとは言えませんね(汗
そもそも、ブログとは日記という部類に入るわけで、そうなると毎日書くのが本筋。
日々、あった出来事を書けばそれでいいことなのでしょうが・・・

さて、年初といえば、誰もが「今年は~な一年にしたい」と抱負を持つもの。
とても大切なことであり、とても大切な時期だと思います。
しかし、半月もすればそんなことは忘れてしまって、いつもの日常に戻ってしまうのも事実。
何か決意や決断すると、何かに書き残す、という作業を加えると効果的といえます。
そこで、当社グループ会社。施設では全員に今年の抱負を書いていただきました。
それを社内報に掲載して配布をするので、読み返せばこんなことを誓った、というのが
誰でも確認できるのです。
しかし、これにも一つの問題があります。
自分がプライベートの日記や手帳に書き記すなら良いのですが、全員が確認できる社内報と
なると、誰もがありきたりの控えめな内容を書いてしまいます。
今年は※※を達成するぞ!みたいなことを書くと、達成できない場合まわりから突っ込まれる
可能性があるわけです。そうした面ではマイナスとも言えますね。
それでも、文章にして残す、ということには重要な意味があると思っています。

私自身も毎年会社全体の指針を掲載しています。
今年は何に力を入れていくか?ということを示すわけですが、個人的な目標ではなく
会社全体の目標として掲げます。
そして私自身も数ヶ月するとそのことをさっぱり忘れてしまうことが度々あります。
荒波の大海原を迷うことなくちゃんと方向を示していくことが指針です。
忘れてはならないのは、従業員ではなく私自身だと肝に銘じてこの一年をスタートします。

忘れないためにも、とりあえずここにも記すこととしました。
以下長文なので、ヒマがあったら読んでください。

**************************************************************************************************

【本年度指針】

もういくつ寝るとお正月、お正月には凧あげて、コマを回して遊びましょ・・」誰もが知っている「お正月」という唱歌も今では殆ど聞くことがなくなってきました。つまり、歌われなくなったということなのでしょう。

 多くの童謡や唱歌が歌われなくなるのは無理もありません。唱歌「お正月」は百年以上前に作られた歌ですが、この百年のうちには大きく時代が変わり、価値観も変わってしまったからです。凧あげやコマ回しを楽しいと思う子供たちはあまり居なくなったということなのでしょう。今や娯楽というカテゴリーにおいては何でもありの時代で、みんなで何か同じことをするというのではなく、それぞれが楽しみたいことをやっているようにも感じます。
 遊びという意味においては、昔の凧あげやコマ回しも、現在のネットゲームも同じ分類だと思いますが、両者には大きな違いがあるように思います。凧あげやコマ回しというのは、遊ぶ側の想像力や技量・裁量がそのまま反映される遊びで能動的といえますが、一方でネットゲームなどのコンピューター上の遊びは、誰かのプログラムをある意味トレースするだけの受動的な遊びであるといえます。 凧あげをしている時に、予期せぬ風に煽られバランスを崩したり、コマ回しでは相手のコマに弾き飛ばされてどこかへ飛んでいったり、アナログな遊びには予期できない出来事が常に起きていました。しかし、現在のデジタルの遊びでは、どんなアクシデントもプログラマーの想定を越えることはありえません。「想定外」ということがあってはゲームとして成り立たないのです。

■想定外の心理

 2011年新語・流行語大賞にもノミネートされた「想定外」と言う言葉。福島第一原発事故後何度もテレビ報道で耳にしてきたからノミネートも頷けます。この想定外という言葉は実に都合がいい、想定外であればある意味なんだって許されてしまうのですから。そういう心理にさせてしまうのは、デジダル時代が生み出した意識かもしれません。
 娘がまだ小学生の頃、スーパーファミコンでマリオカートを一緒によくやりました。しかし、私は娘に勝ったことが一度もありません。もともと、娘の方が上手かったのも事実ですが、それでも私が優位にゲームを運ぶことも時にはありました。ある時、私が優位のままゴール間近というとき突然テレビ画面が消えたのです。どうしたことか?とファミコン本体を見ると、なんと負けず嫌いの娘が電源を切っているではないですか!ゲームは当然ながらリセットされてしまいゴールに辿り着けないまま終わってしまいました。そんなわけで、私は一度も娘に勝ったことがないのです。
 子供の頃、自転車競走をよくやりましたが勝負がつかないで終わるということはまずありませんでした。どちらかが転倒して怪我をすることもありましたが、それは想定外ではなく想定内の出来事です。一方でテレビゲームでは何度も転倒や衝突もするが、怪我をすることはありません。カートはテレビ画面から飛び出すこともなければ、設定のスピード以上早く走ることもない。全てが想定内の出来事で勝敗が決まるのです。しかし、電源リセットというのはプログラムにおいては想定外の出来事で、これに対してはなんら対処法がありません。電源リセットという想定外の出来事に対しては、ゲームをなかったことにするしか方法はないのです。娘はその理論を熟知しており活用したのです。(笑
 福島第一原発事故では「想定外」と言う言葉で、誰も責任はないことにしてきました。自然災害というのはデジタルな出来事ではなくてアナログな出来事です。凧あげの際、突風に煽られたり、自転車競走で石に躓いて転んだりすることと同じ出来事です。しかし、科学者や関係者はそれを確率という数値、つまりデジタル化し可能性として0にして、想定外の出来事として処理しました。
 アナログの遊びをしなくなった子供たちが大人になり、全てが数値化された想定内で生きるようになった今、想定外というものを受け入れられない軟弱な体質の人間が多くなったように思えてなりません。

人生には3つの坂がある

 記憶に新しい話では、小泉前首相がこの言葉を使って有名になりましたが、私は随分と前からこの言葉を、幾度となく聞いていました。実は当社の株主でもある○○会社の※※会長が度々この言葉を口にしていたのです。
「人生には3つの坂がある、一つは上り坂、もう一つは下り坂、そしてもう一つはまさかである」という言葉です。人生に上り坂と下り坂がある、というのは教訓であり誰もが身をもって感じているところでしょう。しかし「まさか」という坂は誰もが考えたくない坂の一つです。つまり「まさか」というのは「想定外」と同義であり、今日、交通事故に遭遇し瀕死の状態になる・・・といったことは、「まさか」でありそうした「想定外」は考えたくない(考えない)のです。しかし、経営者や重責にあるものはそうした「まさか」でさえ「想定内」としていつも考えておかなくてはなりません。「まさか」のときに家族は?会社は?どうなるか?ということをちゃんと考えておかなくてはならないのです。※※会長は、いつもこの「まさか」ということを考えて行動する人だと思います。何かの決断を下す際に想定外のことを一度想定して、それにどう対処できるかを考える、その上で決定を下しているように思えます。それは石橋を叩くこととは意味が違います。石橋を叩いてばかりいてはいつになっても川を渡ることはできません。リスクはリスクとして受け入れ、不測の事態にはそのリスクをどう乗り切れるか?ということを考えるのです。※※会長をはじめ優れた経営者というのは、そうしていくつもの大河をも乗り越えてきたのだと思います。
 福島第一原発事故の後、原子力安全委員会の方が「想定外のことは検討しなくてもいいんですよ」といったことを平然と述べたとき、愕然としました。こんな人がトップに居るのでは事故が起こってもしかたない・・そう感じました。デジタルの世界やコンピューターゲームの世界では「まさか」はありえません、まさかに思える出来事も全て数値化された結果であるためです。科学と技術の粋を結集して開発した原発は、事故が起きないという安全神話を作り出し、「まさか」はない、事故は想定外としました。しかし、自然災害はデジタルでは予測のつかない完全なアナログです。よって原発事故は、まさかという坂を想定しなかった国と関係者の責任に他ならない。

■昨年度の指針を振り返り

 一年前、本紙面上にて私は全施設において前年対比売上を1%でも上げることを目標とすることを掲げました。グループ施設においては基幹事業でもある大和温泉物語は、11月からの新年度においては4ヶ月連続で前年越えをしており、この調子なら前年越えは達成できるだろうな・・・という安易な気持ちになっていました。ところが3月11日、東日本大震災という未曾有の大災害に見舞われて以降、国民の消費意欲衰退や娯楽に対する自粛ムードの高まりから売上が一気に下がりはじめました。更に、マツダ関連の土日操業開始で稼ぎ時の土日の売上も大きく下がりました。結果として、10月決算では前年割れとなってしまいました。
 
「たら」「れば」言い訳の心理

 もし、このような大災害がなかったら(なければ)、目標達成は可能だったでしょう。私も、一瞬はそう考えました。しかし、それは「まさか」を想定しない思考にすぎません。不可抗力による不測の事態というのは、常に起こることを想定した上で目標設定はしなくてはなりません。だから、どんな理由があろうとも目標は達成されなかった、という事実は変わりません。つまり、東日本大震災がなかったら・・というのは言い訳になるのです。
 過去に本誌でも何度も「言い訳」について書いてきました。言い訳の最たるものは、「もし」・・・「たら」という文脈です。私たちは多くの時間を「言い訳」のために費やしています。それは決して悪いことではありません。失敗の理由を見つけて未来に生かせるなら言い訳も価値があります。しかし多くの場合、人は言い訳によって自分自身を正当化してしまいます。そうなると同じ失敗を何度もするようになってしまいます。
 
失敗から学ぶこと

 昨年の指針を今一度読み返してみて、前年越えという目標が達成できなくてある意味よかったと、今は感じています。前述したように、もし東日本大震災という大災害が起きなかったら、大和温泉物語においては目標達成できたかもしれません。しかし、もしそうであったならそれが称賛に値するでしょうか?それどころか私は私自身の間違いに気付くことすらできなかったでしょう。昨年度の指針では、前年対比1%でも売上を伸ばすことを謳い、その方法として重要なのはスタッフ一人ひとりのあり方としている。また、県の海の道一兆円構想に期待する他力的な発言もしている。つまり、目標に対して「方法」と「手段」が明確ではないということです。そんな曖昧なもので目標達成したのでは、今後もっと厳しくなるであろうサービス業の業界で生き延びていくことなど到底不可能であろうと思われます。
 釣りに出かけて大漁の際には、「なぜこんなに釣れたのだろうか?」とは人はあまり考えません。しかし、全く釣れないときには「なぜ釣れないのか?」とその理由を必死に考えます。その時に「今日は海に魚が居ないのだ」と考える人と「仕掛けや釣り方が不味いのだ」と考える人とでは、次回同じ場所で釣りをしたときには、大きな釣果の差があるでしょう。うまく行かないとき、失敗したときにこそ「考える」という機会を与えられ、それが次のチャンスになります。昨年度の失敗は今年度の糧となる、そう考えれば、昨年目標達成できなかったことにも意味が生まれます。

娯楽について考える

 この本文の書き始めに「お正月」の歌の歌詞から書き始めたのは、実は「娯楽」の原点を考える意味で書き始めました。ところが、本筋から随分蛇行してしまいました。私の場合、文章は考えて書く、というより書きながら考えることが多いため、こうしたことがよくあります。しかし、より伝えたいことが自分自身でも明確になってきたようにも思え、このまま繋げていきます。
 文頭で、昔の娯楽を能動的、現在の娯楽を受動的と書きました。それでは私たちのサービス業においてはどちらに分類されるでしょうか?少なくとも家でコタツに温まっている人にはなんら何も提供できないことから、私は能動的な娯楽と考えています。能動的ということは、お客様自らの意思でもって行動し実行されることから、言い換えれば体験型とも言えます。決してバーチャルなものはそこにありません。
 「釣り」というのも能動的で体験型の娯楽・レジャーだと思います。先日、ある雑誌でフィッシングゲームの記事を見ました。テレビ画面に連動した釣竿型のコントローラーを操りバーチャルのフィッシングが楽しめるというものです。テレビ画面には良く行く実際の釣り場の画像データを表示することも出来、更に釣りたい魚の種類も登録できるようで、フィッシングの醍醐味を味わえるといいます。寒い冬に出かけなくとも、休みの日でなくとも、天気を気にすることなくいつでも楽しめる・・・・? しかし、かつて釣りによく行っていた私としては疑問でなりません。前夜、時間をかけて仕掛けを作り、眠いのを我慢して夜明け前に釣り場へ行き、寒さを我慢しながら、荒れる海のしぶきを浴びながら、中々釣れない魚を待ち続ける。それらの苦労(ストーリー)を全て含めて「釣り」という娯楽なのだと考えます。だから、フィッシングゲームに没頭することは絶対ないだろうと断言できます。
 娯楽というのは、体験(ストーリー)があって本当の娯楽だろうと思うのです。そうした意味において、私たちの商売というのはその体験の舞台を提供している、ということではないかと思うのです。

■サービスの原点に立つ

 昨年末頃、社内ミーティングやテナント会、忘年会の席において再三「サービスの原点に立つこと」という話をしてきました。これは「初心に帰る」という意味ではありません。なぜなら初心において「サービス」という原点に立っていたか?というとそうではないからです。サービスというのは、初めからそこに設定されるものでも、備え付けるものでもなく、積み重ねていくものであることから、もともとそこにあるとはいえないのです。
 近年、サービスという言葉はあまりにも広義に解釈されすぎ、あらゆるものに「サービス」という言葉がついてきます。
サービスクーポン・サービスエリア・割引サービス・ドリンクサービス・webサービス・サービスステーション・半額サービス・クレジットサービス・配送サービス・シルバーサービス・サービスガイド・デイサービス・カスタマサービス・認証サービス・サービスマップ・ロードサービス・・・などなど、Googleで「サービス」と検索を入れるとなんと17億6千万件の検索結果が出ます。サービス業でなくとも、あらゆる業種でサービスと言う言葉が多様に使われ、中には意味不明?なサービスまで存在します。
 厳密に言えば99%は元来のサービスとは異なるものかもしれません。Wikpediaでは「サービス」について以下のように定義しています。
「売買した後に物が残らず、効用や満足を提供する、形のない財のこと」
また、その特性としては、
生産と同時に消費される・生産と消費を切離せない・品質は一定ではない・無形で試すことができない・在庫不可能。とあります。それらを全て当てはめていけば該当しないサービスは多いようです。
 我々サービス業において提供するものは、先に述べた通り「体験の舞台」であると思います。それはバーチャルではなくデジタルでもない完全なアナログの舞台です。五感を通して体験をするわけです。五感、つまり視覚・聴覚・触覚・味覚・臭覚において、どれだけ満足できるか?というのがお客様にとっての価値観になります。これら五感の感覚はどれも、形がなく一定のものではなく、持ち帰ることも在庫することもできません。つまり、これらの品質こそサービスの品質に比例するものです。
・施設が常に清潔で整っている
・優しい心温まる笑顔
・思いやりや気遣いに満ちた言葉
・礼儀正しく丁寧な所作
・綺麗に磨かれた床や壁
・心地よい音楽や香り
・高齢者、体の不自由な方に手を添える
・綺麗な盛り付けの料理
・綺麗に並んでいるトイレのスリッパ
・砂や埃のない下駄箱
・清潔なユニフォーム
・丁寧でわかりやすい案内
・美味しい料理
・雑音や無駄話の聞こえない空間
など挙げれば無数にあります。五感を通して満足を提供できるもの、またその質の高さこそサービスの質の高さといえるでしょう。特に、人間は「視覚」と「聴覚」で多くの情報を得て良し悪しを判断します。施設そのものは不動の固定物であることから、一定のものしか発信できませんが、人は常に可動で常に変化することから、人(つまりスタッフ)が発信する「視覚」と「聴覚」は重要なものとなります。つまり、お客様に対する表情(視覚)や言葉使い(聴覚)、これらは基本ではあるものの、とても重要なものであるということです。
 ディズニーランドでは従業員のことをキャストと呼びます。つまり従業員はディズニーという舞台の中で演じる役者ということです。お客様(ゲストと呼ぶ)に最高に楽しんで頂くために、最高の演技をするキャストがいて、ディズニーは今尚多くの人に愛されているのです。最高の演技をする、それこそが最高のサービスをする、といえるのではないでしょうか。

 長くなりましたが、本年度の指針はもうおわかりと思います。
「サービスの原点に立つ」ということです。我々サービス業の原点でもあります。よって、各施設ごとの注力点や目標値はありません。売上というのは「結果」だと思います。どんな時代になろうとも、お客様が得たいと思うものを提供できる施設であれば、どんな「まさか」に出会っても、それは乗り越えられるものでしょう。





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Author:tsutsui-s
広島県在住。
複数の会社と店舗施設を経営。自分に出来ないことはない、という自信過剰ぎみの精神力を糧に、新しいものに挑戦し続ける中年です。

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