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こちら側とあちら側 - 2011.12.13 Tue

一昨日早朝、従業員のN君がくも膜下出血で倒れた。
そして治療の甲斐もなく昨日朝息を引き取った。
まだ40代半ばの働き盛りの年代である。
N君には小学生と中学生の二人の子供が居るが訳あって子供とは一緒に暮らしていない。
月に一度、子供と面会していたようで、その日は必ず休みを取りたいと希望しており、
私もそれを了解していた。

昨晩、通夜に行ってきた。
お棺で眠るN君を見て「なぜ君はそこに居るのだ?」と不思議な気持ちになった。
60cm四方のお棺が、こちら側とあちら側を分けているように思えた。
突然の死で多くの人が涙するこちら側の世界、しかしお棺を隔ててあちら側で眠るN君は
そんなことさえ気付かぬ無表情である。
それがとても違和感があった。
私は席に戻り祭壇を眺めていた。
最前列に小さな人影が二つ見えた。
多分、息子さんだろうと思った。

N君は8年前に私が経営に乗り出した事業のスタッフとして、私が最初に採用した人物だった。
しかし、サービス業であるから採用はアルバイトである。
N君の履歴書を見ると、国立大学卒業後一流企業に就職していた。
10年後退職し空白の期間があった。
その後も務める会社が倒産したり、起業するも失敗したりの連続で、職業については恵まれていない
というか、あまり世渡りが上手ではなさそうであった。
そして、アルバイト募集の面接に来たのである。
学生と同じ時間給での採用であったが、彼はそれを受け入れた。
その頃、奥さんと子供とも別れたのではないか?と察する。
世間一般の見方をすれば転落の人生といえるのかもしれない。

しかし、子供にとっては欠けがえのない父親であり、彼にとっても子供達は同じだ。
今年もクリスマスに会う約束をしていたと聞く。
そんな子供たちの姿をみていたたまれなかった。
多感な時期の彼らは、父親のことをどう思っているだろうか?
父親の死をどう感じているだろうか?
ひょっとしたら人に自慢のできる父親ではなく、哀れに思っているかもしれない。
そうだとしたら、この子たちがかわいそうで、またN君も浮かばれない。
私はそう思った。

隣に座っていた家内に「ちょっと息子さんに話をしてくる」そう伝えて私は席を立った。
喪主の妹さんにお悔やみを言って、この子たちはN君の息子さんですか?と確認した。
そうだと聞いて私は二人にこう話した。
「私は、※※※の社長をしている筒井です。貴方たちにお父さんのことを伝えたくて
話にきました。お父さんは他の従業員やお客様にとても慕われ、誰からも愛されていました。
スタッフからは隊長と呼ばれることもあり、みんなのリーダー的な人でした。
お父さんはいつも※※※(お店)のことがとても好きだとも言っていました。
君たちはお父さんの仕事をしている姿を見ることはなかったかもしれないけれど、
とても真面目に仕事をする立派な人でした。それだけは覚えておいてください」
そう話した。
隣で一緒に聞いていたN君の妹さんが「ありがとうございます」と言って号泣した。
私もそれにつられて泣いてしまった。
気恥ずかしさのある年代の男の子二人は、私に小さくお礼をした。

子供たちがお父さんのことを誇りに思って欲しい。
そう思えるだけで、彼らの人生も大きく変わるのではないか?私はそう思った。
そのために手助けができれば、ただそう思った。

今日は、葬儀だった。
吸い込まれるような高い寒空だったが、とても温かい一日だった。







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広島県在住。
複数の会社と店舗施設を経営。自分に出来ないことはない、という自信過剰ぎみの精神力を糧に、新しいものに挑戦し続ける中年です。

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