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2017-07

40年振り - 2016.08.04 Thu

 去る7月20日、40年振りの出来事がありました。
それは、バイクでの転倒。
場所は岡山国際サーキット、いわゆるダブルヘアピンの第二ヘアピンで
転倒の名所(?)でもあります。
 
 85分耐久風レース(走行会)に、当社マネージャーとチームを組んで参加しました。
天候にも恵まれ晴れの天気だけに暑い。むしろ曇りくらいを望みたいところ。
走行会イベントではありますが、レースの雰囲気を味わってもらおうということで、
実際に時間計測機(ポンダー)を取付タイム計測をし実況放送も行われる。
更にスタートはル・マン式で耐久らしさを感じる。
IMG_2284.jpg
グリッドは予選タイムではなく、くじ引きというところはイベントらしい。
35番グリッドスタートと後方からのスタートだったが、いずれにしても遅いペアなので
後方スタートの方が安全性も高いといえる。

参加者の中には、実際のレースに参加しても好成績を出せるような方も沢山いて、
イベントだけれども、上位入賞を狙っているようだ。
レースとはちょっとだけ違うルールがある。
それは赤旗中止というルール。
一般的には転倒者がコース内に残っていると、大変危険なことからレッドフラッグ(赤旗)が出る。
レースでは、ペースカーなどが入って事故車などの処理が終わるまでレース中断になる。
そしてレース再開となるわけだが、イベントレースなので順位をどうしても決めなくてはならない
わけでもなく、そのためのペースカーなども用意されないから、赤旗は即中止のサインになる。
しかし、85分という時間を走るために集まっているわけで、いきなり中止なんてことになると
100名近いライダーと数十名の関係者やショップに大変なショックを与えてしまう。
そこで、スタート30分以内の赤旗中止は、再度スタートのやり直しをして残り時間で競うことになっている。
しかし、30分を過ぎての赤旗中止は、再開はなく残りの時間は普通に走行会としてコースを
走ってもいい、というルールだ。

そんな特殊なルールがスタート直後早速採用されることになった。
転倒者が出て赤旗中止となった。
しかし、まだ30分以内であったこともあり、再度スタートのやり直しとなった。

とにかく暑い。気温30度以上。レースの85分はもちろん、スタート前から革ツナギを着ておかなくては
ならないから、正味2時間はツナギやブーツを身にまとったままになる。
走っていなくてもこの状況に疲れ、頭もボーッとしている。
第一ライターのマネージャーは、再スタート後数週でピットに戻り私とライダーチェンジ。
これは予定通りだ。
ここから、私は約20分間走らなくてはいけない。
走る前から暑さで疲れており、走り出しても思う走行ができない。
今まで、夏にサーキットを走ってもこれほどにしんどいと思ったことはなかった。
ボチボチ帰ってもいいかなと時計を見るとまだ10分ちょっとしか経過していない。
いつもはサーキットを走っているときあっと言う間に10分なんて経過するのに、
一向に時間が経過しない。あと一周頑張ろう、もう一周はいけるだろう・・・
と時計を見ながら、20分弱でライダーチェンジのためピットに戻った。
ふぅ~、やっと1回目が済んだ。
残り時間、全部走ってくれないかなぁ~、なんて思ったがそうもいかない。
20分後、また私の番がくる・・・

頭はボーッとしている。
集中力、注意力がかなり欠如しているな・・・とその時思った。
20分の待ち時間面倒なのでタイヤウォーマーをかけなかった。
ウォーマーの調子が悪いし、この暑さの中ウォーマーかけても変わらないだろう、
と思っていたから。
そしてコース後半のダブルヘアピン。
一つ目のヘアピンを抜ける際に、後続車が近づいていることがエンジン音で分かった。
そのバイクはアウト側からベテランらしい抜き方で私を抜いて、2本目のヘアピンも
インにつけ綺麗に走り去っていった。
ここは、追い越しポイントでもあり、我々のようなビギナーで遅いライダーが抜かれる
典型的なラインだった。
必然的に私は少しアウト側のラインとりとなった。
このダブルヘアピンは苦手な場所だったので、慎重にバンクしていったつもりだった。
コーナー中盤からアクセルを開け、スピードが増したとき、
あまり大きく開いていない右足の膝が地面を擦っているのがわかった。
すこしバンクがきついかも・・・一瞬そう思った。
その瞬間、バイクが自分の体からどこかへ飛んでいくのがわかった。
そして、それを追いかけるように自分が転がっていくのがわかる。
気が付いたらセーフティーゾーンの芝の上。
直ぐにバイクを確認した。
バイクも芝の上だった。
ホット、胸をなでおろす。
コース上でなくてよかった。
つまりレース中止にしなくてすむということ。
コース幅があり、登りで、スピードの落ちるこのヘアピンでは、転倒時バイクがコース上に
残ることがよくある。すこしアウト側のラインを走ったこと、そしてフレームスライダーと
フロントスライダーがかなり削れていたので、バイクを滑らせてくれたのだろう。
スライダーはバイクが転倒時にボディを守るものと思われがちだが、
それ以上に重要な役目はその名の通り、バイクをスライドさせるためのもの。
滑らせてコース外に出すためのものであることをこのとき改めて実感した。

バイクはもう走れない状態であることが分かったので、そのまま放置してタイヤバリアに避難した。
やがてオフィシャルがやってきて、バイクを安全な場所に移動した。
ピットに帰りたいけれどどうやらここから動けそうにない。
タイヤバリアの上で20分以上、レースの終了を見届け、回収トラックが来るのをまった。
その時も暑かった、早く戻りたい・・ただそれだけだった。
身体はどこも異常はなさそうだった。
右腕が少し痛い・・でも打ち身程度。ツナギは大きなキズが沢山できて、穴も2カ所開いている。
さすがに、ダイネーゼ。安全性の高さを実感した。

バイクの破損状況は
フロントスクリーン割れ
アッパーカウル割れ
アッパーカウルステー折れ
右ハンドル折れ
ブレーキレバー折れ
レバーガード破損
右バックステップ・・ほぼ全損
右フレームスライダー・・ベースごと全損
フロントスライダー摩耗
その他右側全般のキズ

と、かなりバイクの方は重症だ。
右ハンドルとアッパーカウルステーが折れているのを見てゾッとした。
どう見たって、私の腕よりも丈夫そうな金属製のものがこんなに簡単に折れるなんて・・・
私の右腕は打撲程度・・ほんと良かった。

後々行為障害など出るといけないのでメディカルで診断を受けた。
腕の各所は正常に動いているので、やはり打撲との診断。
受診の証明を頂く。これがあれば後に後遺症などが出た際の保険適用になるらしい。

後日、転倒時の走行動画などを見たがこれといった原因はわからない。
当日、このイベントレースで同じ場所で3台の転倒があった。
ひょっとするとオイル漏れなどがあったのかもしれない。
トラクションコントロールはレベル3にしていたはず・・・
なんでスリップダウンしたのだろう?
バンクをし過ぎた上にアクセルの開けすぎ?
たぶん、一番の原因は私自身の問題。
とにかく暑さで集中力が全くなかった。
暑さで集中力を欠き雑な操作をしたのだろう。
ただ、初めてサーキットを走った3年前の夏は35度超えの猛暑日だった。
あの日に比べるとまだ条件はいいはず。
唯一悪くなった条件は私の年齢。
あの時、サーキットなんて走れるのはせいぜい3年だろうと思った。
気づけば、その3年がやってきていた。
たかが3年といえども、還暦前の私にとっては大きな時間。
随分と体力、気力、運動能力が低下したと感じている。
だから転倒が回避できなかったのかもしれない。
そろそろサーキットは卒業かな・・・そんなことを考える。

中には、いい歳してバイクなんて危ない、せめて自転車にしたら?健康にいいし・・
という意見もあるが、安全面で言うとバイクより自転車が有利というのは間違いだと思う。
先日、谷垣幹事長が自転車で転倒し頸髄損傷という重症事故をした。
自転車は人間自身が動力だから、身の安全よりも動きやすさや軽さが重視される装備になる。
そのため、転倒時の怪我は避けられない。
一方で、バイクに乗る際のウェアーやプロテクター、ヘルメットなどの装備は快適とはいえないが
身体を保護する安全性はかなり高い。
だから、どちらが安全か?という比較はとても難しい。

40年前、学生時代にバイクを乗っていた時期は2年ほど。
当時は、ヘルメット着用義務もない時代で、チョイのりはノーヘルで出かけることもあった時代。
当然バイクウェアを着る習慣もなく、夏は半そでTシャツで乗り回す。
バイクの性能も悪く、タイヤ性能も現在とは比較にならないくらい悪かった。
そのうえ、道路の舗装率も低く、一本路地を入れば未舗装の道。
今じゃ考えられない環境の中でバイクに乗っていた。
だから転倒は日常茶飯事。
そのたびに、手や足から血を流していた。
それだけに、転倒しそうな予兆を察知しそれを回避することも多かったし、その技術も
身についていたように思う。
今のバイクはタイヤは滑らないし、ABSやトラクションコントロールなどの電子制御で
コントロールされているから、簡単には滑らないし転ばない。
そのうえ、ツナギやブーツやグローブやヘルメットで身を固めているから、安全性は高い。
それだけに、限界を求めようとしてしまう。
しかし、自分の技術や体力の限界を知らなければ、今回のようなことになる。

本当に、今後も続けるのか?
ゆっくり考えようと思う。
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Author:tsutsui-s
広島県在住。
複数の会社と店舗施設を経営。自分に出来ないことはない、という自信過剰ぎみの精神力を糧に、新しいものに挑戦し続ける中年です。

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