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2017-07

合宿研修を終えて - 2011.05.01 Sun

先週、現在コンサルタントを請け負っている施設の合宿研修を実施した。
2泊3日の研修だったが、兎に角疲れた。準備の時間がなかったこともあるが、研修前日も
深夜まで準備に追われ、研修当日も毎晩深夜まで翌日の資料作りや、受講者の状態の確認
などで毎日睡眠時間は3~4時間程度だったことも、疲れの原因のひとつだった。
しかし、終わってみれば受講生たちの変化や喜びの大きさを知ることとなり、満足感に満ちた
快い疲れであった。

当社のマネージャーと外部の先生の協力を得ながらの研修であったが、実を言うと本格的な
研修を外部に対して実施するのは初めてである(汗。セミナーや研修など多くのものに受講生と
して参加したことはある。しかし、講師側となると、1セッション1時間30分の講義や、
セミナーのアシスタントとしての参加や、地元での自助グループのセミナーのトレーナーを
少しやったこと、後は社内での研修程度である。
それでも請け負ったからには、プロとして最高のものを提供しなくてはならないという使命感
に駆られる。幸い、色々なものを経験しているだけに、どのようなセミナーが良くて、どのよ
うなセミナーがつまらないか、というのは熟知している。
ただ、だらだらと講義ばかりのセミナーは退屈なだけで、残るものが少ない。かといって、
いわゆる地獄の特訓的なセミナーは達成感はあるものの、それをするわけにもいかない。
今回のセミナーで一番難しい点は。受講生のばらつきである。
一般企業の新入社員研修セミナーのようなものであれば、ある程度年齢や知識レベル、人生観
などが近いので、絞り込んでプログラムの組立が出来る。
しかし、今回は22歳の若者から68歳の高齢者まで年齢はさまざまで、社員もアルバイトも含まれ
経験年数も全く0の人もいれば、25年というベテランまでいる。さらに、職務ポジションは
接客係りに清掃係りに調理係り、運転手、機械設備係り、とさまざまである。
このバラエティに富んだ人たち全員に対し、同じことを話しても伝わり方は当然異なるし、
笑いを取ろうとしても、笑いのツボは当然異なる。身体を動かすセッションについても、
年齢差を考慮しなければならない。
更に、一番の問題は受講生の意識である。通常、名の売れた方のセミナーになると3日間の受講とも
なれば受講料は数十万となることも珍しくない。たとえ数万のセミナーであっても、多くの場合は
時間とお金を使って受講するものである。だから受講生の意識は「何かを得て帰りたい」という意識
が強い。しかし、今回のセミナーでは、半ば強制的参加をさせられている人も多く、この忙しい時期
になんでこんな仕事と直接関係ないセミナーに参加しなくてはならないのか?という、しかたなく参加
する人が多数しめていることが大きな問題である。事実、半数ほどの人はそういう意識だった。
そんなことを考えていると、とてもじゃないがプログラムは組めない。

それでも、どんな人であろうとも共通のキーワードは何か?と考えると答えが出る。
共通のキーワード、それは「感動」である。
美しい景色には老若男女誰もが感動するように、心の振るえは同じ部分で起こること間違いない。
感動を与えるためには、決められたプログラムを淡々とこなしていくのでは無理である。
受講生の状況を把握しながら、また心の動きを感じながらリアルタイムにアドリブで進めていかねば
ならない。これが、良いセミナーを実施する難しさであることは、私も参加者の立場から過去に
学んできた。しかし、これはとても難しく、それなりの経験と知識とネタが必要である。

初日、研修開始前に私は「何かを教えるセミナーじゃなく、何かを感じ気付いてもらうための
セミナーであり、私たちはその手助けをするだけです。多くを得るか得ないかは、皆さん自信に
かかっており、私たちに期待しても私たちは多くを教えられません。知識もないし、講師としての
地位や名誉もありません。だから私たちのことを決して「先生」とは呼ばないでください」
そう、まず切り出した。多くの受講生はなんと頼りない講師なんだろう・・と思ったかもしれない。
それでいいと思った。その後私は付け加えた、
「しかし、立派な肩書きは何一つありませんが、この3日間で皆さんが多くのものを感じて気付き、受け
て良かったと思える、この3日間のことを一生忘れない3日間になるような研修を全力をあげて行います」
と、自信満々に語った。(実は、この時点では全くその自信はなかった、というか見えなかった)

初日は7割がた私の担当である。1時間程度なら話し続けることはよくあるが、いくつものセッションを
続けてこなすのはとても疲れた。予測通り、いわゆるスベったセッションもあった。今までに行った
ことのないゲーム実習などを入れたが、やはり年齢差もあり受取りかたがさまざま。
失敗は失敗として、トークでなんとかまとめた。
終盤、持病の不整脈が激しくなり、立っているだけで苦しくなることが度々あった。
なんとか気付かれないよう乗り切り、限界がくる前に相棒のマネージャーへバトンタッチした。
初日がの終盤、受講生に感想をいくつか聞くと、「参加して良かった」という意見がいくつか出てきた。
手ごたえを感じつつ、初日を終了した。

2日目は、外部の先生も参加しての研修であり、持分は少ないことで気分的に楽だった。
しかし、昨晩今日のプログラムの修正やら、講話のネタを考えるため睡眠が少なく、相変わらず不整脈
が酷かった。
午前中の体験ゲームを交えた私のセッションでは、やはりちょっとスベってしまった。
受講生が難なくやってのけてしまったからだ。普通なら出来ない人が取り残され、追い詰められていく
場面があるはずで、そこで「自分を越えること」「援助すること」「選択の意思決定」などを学ばせる
予定だった。しかし、全員があっさりやってのけたので、ネタばらしと少し笑いをとって終了した。
プロの先生にバトンタッチして、私たちはその見学の立場となった。気分的にとても楽である(^^
先生の話しやゲームにはそつがなく、淡々と進んでいき「さすがプロだなぁ~」と感心させられた。
どうも私の場合は、いっぱいいっぱいのような感じが拭い去れない。これはやはり経験値の違いなの
だろうと痛感した。それでも、全力でエネルギーを注ぎ続ける、思いを伝える、これは経験によって
は決して養えないもの、プロの意地とここに居る人たちになんとか伝えたい思い、それで乗り切る。
午後の私のセッションは「信頼」についてである。講義とゲーム、これが基本的な組合せである。
話しだけでは伝わらない、体験によってそれを証明すること、そして気付いていただくこと、それが
私の「感動を与えるセミナー」のやり方だ!!
これはなんとかうまくいった気がした。トリッキーで騙された、といった感想を持つものもいたが、
それはそれでいい、そう感じることもその人の気付きとパターンであるから。
各プログラムの間にマネージャーのサービス研修を入れる。これが今思えば自画自賛であるが絶妙な
タイミングで、しかもマネージャーのトークと実例がうまいことで、全体の研修に余裕としまりが
できたように思う。
2日目終了前には、かなりの方が参加してよかったと答えてくれた。
その言葉で我々は大いに救われるのである。プロといえども研修の講師となるとセミプロみたいなもの、
それでも、どんなセミナーよりいいものを作り上げて見せる、という意気込みは私もマネージャーも
共通の思いだ。多くの、セミナー参加の経験があるからこそ、そのツボは知っている。
明日は最終日、絶対に全ての人に「参加してよかった」と言ってもらって終了させる!

最終日は基本のプログラムはあるものの、実は全てアドリブで乗り切らなくてはならない。
それは、受講生の発表がメインになるからだ。そして、最後には何かサプライズが必要だと思って、
卒業証書を作ることにしていた。全員の笑顔入りで、私とマネージャーのコメント入りである。
これを夜作るわけだから、またまた寝る暇がない。
毎日栄養ドリンクを飲んで、睡眠不足と不整脈に闘いながら、全エネルギーを出す。
今思えば、3日というのが限界だったろうな、と思う。

最終日3日目。
どう終結させるか?どんな最後になるか?正直わからない。
講話の内容は特にない。最終日は受講生がエネルギーを出す番だからだ。
午前のセッションで受講生に一人になって考えさせる部分を設けていた。
約30分間のその時間の間、マネージャーと休憩を取りながら、今日の進め方など話した。
実は、二人でこの研修を進めるにあたり、私が全体のプログラムを組み終えたのは、研修開始2日前
であり、それをメールでマネージャーに送っただけで、互いに打ち合わせは一度もしていない。
だから相手が何を話すのか、何をやるのかは未知なのである。こんないいかげんなことあっていいのか?
とも思えるが、私はそれでいいと思っていた。
もともと形にはまったものを提供するのではなく、その場のエネルギーに合わせてリアルタイムに
変化させることが大切、と思っていたので、あえて詳細の内容を詰めなかった。
この30分の考慮時間に、マネージャーは受講生としての考慮を始めた。
これは私にとっても全くの予想外の出来事である。
なぜなら、マネージャー自身が「私から発表させてもらってもいいですか」と言ったからだ。
まあ、発表のサンプルとしていいか、と思い、「ああ、いいよ」と気安く答えた。
そしていよいよマネージャーの発表。
過去の出来事を感慨深く語りはじめた。私は、やばくない・・・と思ったが、時既に遅し・・
涙ながらに語るマネージャーの言葉に、聞いている受講生ももらい泣きをする人も出てくる・・
私は、どうすりゃいいの?想定外なんですけれど・・・と、ちょっと困惑する。
しかし、これがきっかけで、多くの受講生が胸につかえていたものを発表してくれて、とても貴重で
予測を越えた価値あるセッションとなった。
いろいろ話す受講生の話しに、どう助言すればいいか、模索することも多かったが、一番考えさせ
られたのは、私たちだったように思う。
その後、最終日メインのセッションを終え、卒業証書を授与して終了した。

全員に感想を述べてもらった。誰もが本当に参加してよかったと心から喜んでくれた。
もう終わってしまうの、まだやりたい、そんな意見まで出た。
サービス業でのキーポイントは「感動」であることを研修の中で伝えたが、この研修じたいも
「感動」をキーポイントとしていた。感動さえあれば、きっと今日の日のことは忘れない。
そんな研修にしたいと思っていたが、なんとかその目標を達成できたと実感した。

終了後、家に戻り、マネージャーとコーヒーで乾杯した。そう、成功を祝う乾杯である。
どうなることやら・・・と不安でスタートしたが、終わってみれば大成功だったことを実感できた。
そしてお互いに感じたことは、この研修によって一番学んだのは、私たち自身であったということ。

私が帰り支度を始めた頃、マネージャーが「社長、寝ていいですか?」と呟いた。
そういえば、この3日間あまり寝ていない。疲れきっているが、なんだか心は元気。
エネルギー出しっぱなしだったが、最後には多くのエネルギーを貰ったように思う。
コンサルの仕事は、ノウハウを伝えて指導するのが仕事。
しかし今回、コンサルの枠を越えた仕事が出来たことを嬉しく思った。
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Author:tsutsui-s
広島県在住。
複数の会社と店舗施設を経営。自分に出来ないことはない、という自信過剰ぎみの精神力を糧に、新しいものに挑戦し続ける中年です。

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