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【苦闘の1カ月】 (11)  「結」 退院  - 2012.08.20 Mon

 昨日、日曜日私は朝起きて仕事に行こうかどうか迷っていた。
やらなくてはならない仕事が山積していることもわかっていて、日曜日は外来者や電話も少ないことから、
デスクワークが最もはかどることから、大抵土・日は事務所での仕事の予定にしていた。
しかし、あっさりと「今日は休もう」と決めた。かといって何も予定はないが、一日家に居ようと決めた。
一日中下着姿のまま、昼寝をしたり、家内とテレビを見たり、本を読んだり、家内と話をしたりして
過ごした。これが割りきって出来たのは、ある意味今回東京で受けたセミナーの成果でもある。
「重要事項を優先する」、この本当の意味は何なのか?自分の未来に対して大切なのは何なのか?
やらなくてはならないことが山積しているが、それらの全てが本当に重要なのか?
そう考えると雑用が随分とあり、省けるものも、人に任せられることも随分とあることに気がつく。

 夫婦水入らずで一日家でゴロゴロと過ごす。これぞ無駄なことの極みのようではあるが、
「時間を共有する」という意味において、場合によっては重要事項ともいえるのだ。

 ごくわずかなこのブログの読者の一人である家内が、一昨日書いた「セミナー in 東京(1)」を読んで
これもまた連載するのか?と思ったのであろう、昨日私にこんな質問をした。
「ところで、【苦闘の1カ月】はもうあれで完結したん?」と唐突に言われ、いったい何のことを言って
いるのだろうか?と一瞬とまどった。「(シャンプー)で終わったん」と言われ、はぁはぁブログのことか、
と気づき、「う~ん、まぁ一様、快復したところまで書いたけぇ~いいかなと思って・・・」というと、
「でも、To Be Continued で終わっとるよ」と!「えっ!それはヤバイ!」とだけ答え、続きを書く
ことは確約しなかった。

 小説には起承転結があるものだが、小説でもなんでもないブログにおいては、そんなこと何も意識は
していなかった。ただ、To Be Continued はまずい(笑
と、いうわけで、起承転結の「結」として以下に記すこととしました。


*****************************************************************************

 3月2日の私のスマートフォンの画像には、家内が歩行補助具で病院の廊下を歩く姿が記録されていた。
やっと人の手を借りずに自らの力で歩くことができるようになった。
と、いっても自分の2本足では立つことも不可能だが・・。私たちの筋力というのは、日常生活を送って
いることで知らぬ間に鍛えられ、いつでも歩いたり走ったりできるように保たれていることを実感した。
僅か、1週間寝込んだだけで、筋力は衰え立つことすら出来ないのだ。
そのため、この日よりリハビリを兼ねて、補助具を使って歩く練習を始めることとなる。

 そして、この日から病院食も取るようになり、体力は日に日に快復していった。
薬や点滴の内容も減ったことから、日ごとの詳細のメモもこの日以降書き記していない。
私のシステム手帳には病院へ行った時間と帰った時間のみが記されている。
それでも欠かすことなく毎日病院通いが続いているが、途中仕事も入れるようになっていった。
精神的にも随分と楽になり、症状として残っている視神経の運動機能回復を願うだけとなった。

 入院患者にとっては、ある程度の苦痛から解放されると暇を持て余し、それが苦痛にもなってくる。
そうした時、雑誌や本などを読んで過ごすのだろうが、家内の場合視神経の機能障害があるため、
文字を読むことは困難なのである。テレビなどの映像は何となく見ながら音声で全体を理解できるため、
テレビを見ることが多かったが、時間帯によってはつまらない番組も多い。
そこで、DVDプレーヤーを用意して、レンタルビデオを借りてくることとした。
アメリカのテレビドラマシリーズなら数十話あるので暇を持て余すことはない、と思ったからだ。

 しかし、映像も見すぎるとやはり目が疲れるらしく、快復の妨げになるようで、時間を制限しつつ
見るように心がけた。私が居る間は、車いすで病院の屋上の庭園に連れて行ったり、1階のカフェへ
連れていったり、売店へ行ったりと、限られた場所ではあるが出来るだけ気晴らしになるように務めた。

 歩行も自分で出来るようになると外出許可を申し出たが、これはきっぱりと断られた。
歩行が出来るといっても、ちょっとした距離でも手摺を持ってのつたい歩きなので当然といえば当然。
まして、治療途中にある身で病院が外出許可など出すわけがない。

 ところが、私が昼間仕事で抜けて病院へ戻った時などに、買った覚えのないものがあったりする。
「誰かお見舞いに来た?」と聞くと首を横に振る。「これは何?」と聞くと、自分で買ったという。
「これ、売店には売ってないよね?」と聞くと、Sデパートへ行ったという!
驚いて「外出許可出てないじゃろ!」というと、出てない、バレないから大丈夫、と平然という。
更に「行きは良かったけれど、帰りはしんどくて帰れんかと思った」という。
絶対に外出してはダメだ、と言ったが、その後も元気になるごとにこの非行は続いた。
ある時は、私が病室に入った時姿が見えないので看護師に「家内は検査か何かですかね?」と尋ねたら、
「いえ、検査も何もありません、奥さん・・・最近、時々居なくなるんですよ・・」と言った。
どうやら家内の逃亡は病院も把握しているようだったが、1時間もすれば戻ってくるので、
それほどお咎めはなかったようだ。

 話は前後するが、リハビリに入ってから私が勝手に決めていた「面会謝絶」を解除した。
両親や妹、会社の従業員や関係者など沢山の方がお見舞いに来てくれた。
それと、部屋は足の踏み場もないくらい大量の生花で溢れた。
家内が花が好きだから、という理由もあるが、もうひとつ大きな理由がある。
それは家内の「見栄」だ。どの病室よりも花でいっぱいにして、お見舞いの人や先生や看護師さんから
「すごい!」と言われたいのだ。(家内からすれば、大いに反論はあるかもしれないが)
そのため、わざわざ自分で会社からの花輪の段取りを娘に頼むのである。
幸い当社は関連会社が多いから、その数は半端じゃない。
花畑のような病室は、誰もが感激する別世界になるのだ。

 そんなこんなで、苦しい入院生活も元気になっていくと楽しみを考える場所になっていった。
人と話し、ドラマを見て、友人とコーヒータイムをとり、デパートへ買い物へ行く。
頑張ったご褒美としてそれもいいだろうと、私は思っている。
出来る限りのことをしても、病室のベッドが自分の寝床であることは変わらない。
本当に喜べる日は、この部屋の荷物を持って出て我が家に帰る時だ。

 3月16日、それが叶った。
荷物を車に積み込み、お世話になった先生、看護師さんに挨拶をして病院を出た。
私たちは幸せだと思った。なかなか退院できない多くの人、あるいは退院そのものできない人達が
多くこの建物内にはまだ居る。
入院の時点で、誰もが退院の保障はもらえない、いや考えないだろう。
この病が治るのかどうか?悪くなっていくのかどうか?明日はどうなのか?病気そのもののことで
頭の中はいっぱいで、退院のことなんて考える余裕はない。
「退院」という期待は「改善」という経過があって初めて生まれる希望だ。
100万人に一人という稀な難病を、正確に診断し迅速で適切な対応をしてくれた先生方と看護師さんに
感謝の気持ちでいっぱいだった。

END

******************************************************************************

と、いうことで「結」とします。
闘病記というのは元来本人が書くものと思います。苦しい、痛い、といったものは本人しか理解できない
感覚で他人が表現すると、それは微妙に異なるものとなってしまいます。
だから、あえて「闘病記」というタイトルは避けました。
内容も殆んどが、「私」の視点に立った見方、感じ方で書いてきました。
よって「とてもよくできた夫」となっています(笑

退院後、「もし僕が入院したら、同じように介護する?」と質問したところ、以下のような返事だった。
「あなたは大きいし、私は小さく力がなしい、私よりプロの介護師さんを雇った方がいいかもね」

???
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Author:tsutsui-s
広島県在住。
複数の会社と店舗施設を経営。自分に出来ないことはない、という自信過剰ぎみの精神力を糧に、新しいものに挑戦し続ける中年です。

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