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【苦闘の1カ月】 (3) ~不安2 - 2012.06.14 Thu

私は画像など見ても分からないので、K先生の表情に注目した。相変わらず表情が硬い・・・
そう見えて不安が募った。
K先生はMRI画像の写真を見せながら「脳幹部分にも異常は認められませんでした」と話した。
そう、言われてほっとしたのだが、先生の表情が硬いことが気にいらなかった。
最初から先生は脳になんらかの疾患があるものと思っていたのであろう。
しかし、CTでもMRIでもそれは認められない。つまり脳以外の病気を発症しているということだろう。
K先生は「ギランバレー症候群の疑いが強いと思われます、いずれにしましても精密検査が必要なので、
今から直ぐに受け入れてくれる大手総合病院に照会をかけます」と言った。

ギランバレー症候群?そう言えば、午前中診察していただいたM眼科の先生も同様の病気の疑いを示唆した。
私は待合室でその病気についても少し調べた。
自己免疫疾患で全身の筋肉が麻痺などして動かなくなる難病、といったことぐらいしかわからない。
いずれにしても厄介な病気であることには変わりなかった。

既に時間は午後5時を回っている。受け入れ病院が決まるまで、診察室のベッドで家内は休ませてもらい
私はそれに付き添っていた。私も家内も疲れ切っていた。
「脳に病気がなかったからよかったじゃない、他の病気ならなんとでもなる」そう私は家内を励ました。
ほどなくK先生が「S総合病院が受け入れを許可してくれました、脳神経内科のT先生に診察をお願いする
ように頼みましたので直ぐに救急外来へ行ってください」と言ってきた。
直ぐに、紹介状とCTとMRI画像のデータを受け取り私たちはK病院を出発した。

夕方のラッシュ時でもあり、S総合病院に到着したのは日も落ちて暗い午後6時半頃だった。
救急外来で受付を済ませて診察室へ向かった。
担当医はまたまた若い女医のT先生。K病院でもそうであったが、病院の先生だけは若い女性よりも
年配の男性が好ましい・・と勝手な偏見を持っているだけに、T先生を見てちょっと不安がよぎった。
K病院でも行ったような診察やテストを色々行いまた細かく問診をした。
家内の容態は時間を追って悪くなり、歩行のテストでは一人で歩くことも不可能な状態になっていた。

時間外の救急の場合、簡単に診察を終わらせるのが普通な気もするが、T先生は細かく丁寧に診察をしてくれた。
問診では決まって両親や兄弟の病歴を問われる。遺伝的な見地は全ての病気に通じることなのだろう。
遺伝というのは親から子供へという考え方であることから、大抵が両親の病気に着目しがちである。
しかし私はK病院でギランバレー症候群の疑いがあるとの診断を受けていたので、T先生に私たちの子供の
病気について話した。
「K病院ではギランバレー症候群の疑いを示唆されましたが、ギランバレー症候群といえば自己免疫疾患ですよね、
私たちの二人の子供は、長女が甲状腺亢進症、次女が膠原病の全身性エリテマトーデスを過去に患い、いずれも
現在はほぼ完治しました。いずれも自己免疫疾患の難病ですが、それらとの因果関係はないのでしょうか?」
そう尋ねると、T先生は「お詳しいですね、ご主人は医療関係の方ですか?」と尋ねてきた。
「いいえ全く違う仕事で、全く病気のことはわかりません、ただ子供たちが病気になったときには、
それについて必死で調べましたから」そう答えた。
T先生は暫く考えたすえ、
「奥さんは間違いなくフィッシャー症候群だと思います、ギランバレーの仲間の病気だと思ってください」と
診察結果を述べた。フィッシャー症候群??またまた訳のわからない病名を告げられたが、どんな病気なのか
不安がぬぐい去れない。

この時、T先生の目が輝いて見えたのが不思議に思えたが、思い起こせばこんな理由が想像できる。
フィッシャー症候群という病気は100万人に一人という確率のごく稀な病気であることを後に知った。
つまり、県内でも年間1~2名程度。宝くじを10枚買って1等を当てる確率である。
医師にとって学問としてではなく、実際に新しい病気に出会い向き合うことのできるチャンスというのは、
ある意味、うれしいことでありやりがいのあることではないのだろうか?と、不謹慎かもしれないが、
そんなことを思った。

T先生は自ら車椅子を用意してきて、
「それでは今から入院していただきます。一般病棟が満床なので救命救急病棟に入院していただきます。
救命救急病棟は重篤な患者さんが多いので少しストレスを感じるかもしれませんが、回りは気にしないで
ください。」そう話した。
救命救急病棟??少し不安になるが、もう全てはS病院とT先生にゆだねるしかない。
車いすはT先生自らが押して病棟へと向かった。
静かで長い廊下、これからいよいよ病気との闘いが始まる。そう思った。

*** To Be Continued
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Author:tsutsui-s
広島県在住。
複数の会社と店舗施設を経営。自分に出来ないことはない、という自信過剰ぎみの精神力を糧に、新しいものに挑戦し続ける中年です。

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